職を失い傷ついた夫婦と、彼らに寄り添おうとする裕福な夫妻。
善意と現実の狭間で揺れる4人の人間模様を描き、ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞に輝いた韓国映画『もしもの愛』。
本記事では、韓国映画『もしもの愛』のあらすじや主要キャラクターの人物像、必見の見どころを分かりやすくまとめてご紹介します!
※各項目は“目次”から選択することができます。
もしもの愛「あらすじ」
階級が異なる2組の夫婦。
大手企業の大量解雇によって職を失ったホソク(演:ソル・ギョング)と、マスク工場で働きながら必死に彼を支え続ける妻のミオク(演:チョン・ドヨン)。
もうひと組は、ドキュメンタリー映画監督のイェジ(演:チョ・ヨジョン)と、祖父の代からの財産を引き継ぐ大富豪の夫サンウ(演:チョ・インソン)。
解雇以降、心身ともに追い詰められたホソクは、酒に溺れ自分の殻に閉じこもっていた。
ある日、解雇労働者をテーマに新作を準備していたイェジは、葬儀に参列していたホソク夫婦に強い印象を受けて取材を申し込む。
最初は取材に非協力的で、多くを語ろうとしないホソクでしたが、次第に打ち解けて2組の夫婦は急速に距離を縮めていく。
しかし交流が深まるにつれて、カメラを向ける側(富裕層)と撮られる側(労働者層)という階層の違い、そして隠していたそれぞれの本音や秘めた欲望、歪みが露わになり、2組の日常と関係性に少しずつ亀裂が入りはじめる。

もしもの愛「キャスト」|登場人物
韓国映画『もしもの愛』の主な登場人物を演じるキャストを紹介します。
メインキャスト「主要人物」
韓国映画『もしもの愛』の主要人物を演じるメインキャスト。
アン・ミオク|演:チョン・ドヨン

胸に傷を抱える夫に気をもみながらも家族を守るたくましい妻。
大量解雇で職と自尊心を失った夫を支え、自らはマスク工場で働きながら家計を支えている。
厳しい生活苦の中でも感情を大きく表に出さず、明るく振る舞いながら忍耐強く日常を繋ぎ止めている。
チェ・ホソク|演:ソル・ギョング

社会的挫折と自責の念に押し潰されそうなミオクの夫。
大手重工業(SP重工業)の再編計画に伴う、大規模人員削減に抗議して仲間とストライキに踏み切って解雇された元労働者。
かつて抱いていた職人としての誇りや仲間との絆を奪われ、現在は無力感と家族を養えない罪悪感に苛まれて心を閉ざしてしまう。
イ・イェジ|演:チョ・ヨジョン

善意と欲望の間でカメラを向けるドキュメンタリー映画監督。
社会的弱者や解雇労働者の問題に強い関心を持ち、そのリアルな姿を記録しようとする独立系の映画監督。
聡明で社交的、かつ情熱的だが、本人が自覚しないまま恵まれた立場から他者の苦痛を「観察・消費」してしまうことの倫理に苛まれる。
サンウ|演:チョ・インソン

裕福で余裕に満ちたイェジの夫。
ヘッジファンドを率いる大物で、祖父の代から続く資産家。
経済的に恵まれた環境で育ち、事業や資産運用の成功によって悠々自適な生活を送っている。
妻イェジの映画製作を経済的・精神的にバックアップし、寛容で理解のある理想的な夫。
もしもの愛の見どころ
韓国映画界の名匠イ・チャンドン監督、待望の長編。
韓国映画『もしもの愛』の見どころ&注目ポイントを紹介します!
名匠イ・チャンドン監督による圧巻の演出
本作は、韓国の映画界を代表する名匠イ・チャンドン監督による約8年ぶりの超大作。
第83回ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞(銀獅子賞)を受賞し、米アカデミー賞の国際長編映画賞・韓国代表にも選出されるなど、世界中で称賛を浴びています。
階級社会や格差、人間の尊厳といった重厚な社会的主題を、イ・チャンドン監督ならではの細やかな心理描写を通して静かに浮き彫りにしていきます。
社会のひずみの中で生きる人々への深い眼差しと、人間の複雑な内面をあぶり出す緻密な演出は圧巻です。

韓国を代表する4人の超豪華キャスト
メインキャストを演じる4人の超豪華キャストにも注目です。
労働者階級の夫婦を演じるのは、韓国エンタメ界を代表する実力派俳優のソル・ギョングと、韓国初のカンヌ女優となったチョン・ドヨン。
『オアシス』や『シークレット・サンシャイン』など、イ・チャンドン作品で名演を残してきた二人が、厳しさに直面しながらも生きていく過酷な環境の夫婦をリアルに演じています。
一方の夫婦を演じるのが、『パラサイト 半地下の家族』のチョ・ヨジョンと、Disney+の大ヒットドラマ『ムービング』のチョ・インソン。
裕福で恵まれた生活を送りながらも、他者の痛みを作品として捉えようとする、現代的で複雑な夫婦を繊細に演じ切っています。
実力と知名度を兼ね備えた主演俳優4人の競演も本作の大きな見どころです。

キャラクター同士の関係性が生むドラマ
韓国映画『もしもの愛』は、ドキュメンタリー撮影という設定そのものが、2組の力関係と心理的緊張感を生み出しています。
この4人が出会い「撮影する者と撮影される者」、「持てる者と持たざる者」という多層的な境界線を越えて交錯することで、人間のエゴイズム、優越感、羨望、そして「他者を本当に理解し愛することは可能なのか」という深く切ない問いが浮かび上がってきます。
社会的な分断や人間関係の摩擦をリアルに描き、住む世界が違う二組の夫婦の人生が、カメラを通して交差していく綿密な構成は見どころ十分です。

制作背景の裏事情
実は本作、元々は韓国映画振興委員会の「中予算韓国映画製作支援事業」に15億ウォンの支援対象として選ばれていた作品でした。
しかし民間投資の誘致が難航し、支援申請を自ら取り下げ、最終的にNetflixと手を組むことで世に出ることになったそうです。
イ・チャンドン監督はヴェネチアでの受賞スピーチで「多くの人の期待と忍耐がなければ、この映画は世に出られなかった」と述べています。
韓国を代表する巨匠の新作が民間投資を得られず頓挫しかけたことが議論を呼び、イ・ジェミョン大統領がフランスの「SOFICA(映画投資への税制優遇)」の導入検討を指示するまでに至りました。

もしもの愛「配信情報」
韓国映画『もしもの愛』の配信情報について。

作品概要
| 原題 | 가능한 사랑 |
|---|---|
| 邦題 | もしもの愛 |
| 英題 | Possible Love |
| 脚本 | イ・チャンドン オ・ジョンミ |
| 監督・演出 | イ・チャンドン |
| 上映時間 | 164分(2時間44分) |
| 韓国・日本配信 | Netflix |
| 配信開始日 | 2026年11月6日(金) |
まとめ
今回は韓国映画『もしもの愛』のあらすじや主要キャスト、見どころをご紹介しました。
社会の過酷な現実と人間の複雑な心理を重厚かつ繊細に描き出し、まさにイ・チャンドン監督の真骨頂とも言える傑作映画です。
韓国映画界を代表する名匠とトップ俳優陣が集結した本作は、観る者の心を静かに、そして激しく揺さぶります。
観終わった後に、誰かと語り合いたくなるような深い余韻に浸れること間違いなしです!
じっくりと映画の世界に入り込みたいときや、心に残る人間ドラマを観たい方は、ぜひチェックしてみてください!





